患者さんからの投稿

現在、外来通院されている松村安佐子さんから『昨年一年を思う』『生命永らえて』の2作品を投稿していただきました。    


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『昨年一年を思う』 平成19年1月9日記
忘れもしない五月、私は突然、大病に冒された。夫の死後約3ヶ月後の出来事だった。
心臓の発作だった。
倒れた直後に意識不明、あとは集まった人たちがいくら騒動したかはまるでわからない。
大手術の後3ヶ月はまるでわからない。後は薄紙を剥ぐように自分を取り戻していった。
優秀な医師団そして責任と使命感にあふれた看護師の皆さんの手厚い看護のもと、さらにリハビリの先生方の実に真剣なご指導で今ではトイレにも車椅子でいけるほどになりました。
今年の春ころまでには何とか人並みの動きができるようになりたいものと辛いリハビリを頑張っています。
昨年の夏に倒れ夏から秋へ秋から冬へそして今厳しい冬と供に自分の与えられている命を大切に思い二度目の夏はきっと誰とでも楽しい語らいができる暮らしに戻りたい、そんな思いの私の願いです。


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『生命永らえて』 平成19年3月19日記

 御仏の、
 やさしき諸手
 さしのべて
 今、ひとたびの
 生命たまえり。
(亡き夫の詩から引用)

私が死の淵からよみがえり現在の世界でごく当たり前のように、おしゃべりをし、ご飯を頂く、こんな作業ができることの不思議さをつくづく考えてしまう。
約3ヶ月もの間、意識不明で幽冥魔界をさまよい続け知人親戚がどんなにか驚き、そして心配をかけたことだったか、今病室から見える窓の景色は去年の五月からの私の身に起こったさまざまな事件、夫の死後、突然の病気で倒れてしまい寝たきりになって季節の移り変わりは病室の窓を通してしか知るよしもない。
昨年は近年にないくらいの大雪で毎日が雪との戦いだったが、今年は暖冬で雪のない静かで穏やかなお正月を過ごした。
この頃になって、ふわふわと舞い降りてくる雪に春の足音を感じ、薄紙を剥ぐように快方に向かっていることも窓から差し込む春の陽光の中に感じる。
今、つくづく思うことは、自分が生死の間をさ迷いながら行き続けていたころ、先生方の必死の努力と責任感の治療、それに従う忠実な看護師の皆様、本当に頭の下がる思いだ。
人間、一番辛いことは治る見込みのない病気に冒された時だともいう。
ともすれば自暴自棄になり、悲しい人生をただ目的もなくうつろに生きていること、そして生かされていることに感謝の気持ちを持ち生きていこうと思う。
だって、生きとし生けるものたちの中で人間しか持っていない大切なもの、それは、「喜怒哀楽」という感情を豊かに表現のできるこれからの人生でありたいものと願っている。
今、リハビリの先生方の厳しくも優しいご指導で日ごと努力を重ね、やがてここの病院を巣立つまでせめて、自分の身の回り、あえては大好きなお風呂に他人の手を借りずに入れるように願いを込めながら前向きにリハビリを頑張っている。
三寒四温を繰り返し、春はそこまできている。 
合掌


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平成18年5月7日に岩手医大で胸部大動脈瘤乖離の手術をしました。
その後、約3ヶ月間意識不明で、お盆のお祭りの太鼓が鳴る頃に意識が戻りました。
あれから丸2年が経過して、現在は透析をするために週に1度、友愛病院に通っています。
今はすこぶる元気でーす★

 あの世から
 命のカケラ 
 拾いし戻り
 ご来光拝める 
 
平成20年6月 松村 安佐子



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